2010年6月18日

温故知新〜プロに訊くグラフィックデザイン・DTP・Web

こんにちは!豊場@大宮校です(^^♪
さて、埼玉も入梅入りしましたが、この時期になると、夏物の新しい広告デザインが気になる頃。素敵なデザインのものを見ると嬉しくなったりしませんか?

そこで今回は現役グラフィックデザイナーの矢野良幸さんをご紹介します。矢野さんはご自分でグラフィックデザイン会社を主催され、企業広告、Webサイト構築などにご活躍されている方。今日はそんな矢野さんにデザイン業界の現状などを伺いました。


■伝えたいからデザインは成立する
     矢野良幸講師

Q 矢野さんはDTP、Web両方のお仕事をご担当されいます。
  デザインをする側としての違いはないのですか?

伝えたいものがあって初めてデザインは成立します。言い換えれば、伝えたいものをいかにビジュアル表現するか、それがデザインの大前提です。最終的な出力を紙で見るのか、モニターで見るのかといった観点からすればもちろん違いはありますが、これからデザイナーとして最初に押さえるべきことはこの大前提です。

コンピューターの世界だと、毎年のように新しい技術が導入され、ソフトがバージョンアップして新機能が増えたりと、常に新しい情報追っかけなければならないという面がありますが、それだけではダメなんですね。最近のソフトは機能だけ使ってそれなりの作品ができちゃう。だから新人がすごくデコレートされたものを作ってくるんです。でも出来上がったものから機能を外していって、純粋にレイアウト、色といったデザインだけ残した時には全然ダメという例が多いんです。残念ながら自分はこんなにコンピュータが使えるという道具自慢に陥ってしまってるんですね。ゆえにデザインの基本である色・レイアウト・フォントといった部分はどれだけソフトが進化しても外せない。それを学ぶためには「温故知新」であることが大切と思います。



Q デザイナにとっての「温故知新」とはどういうことでしょうか。

デザイナーは常に新しい表現や手法を追い求めなければなりませんが、先人の知恵に学ぶことも多いし、当然無視してはいけない。今、Webではユーザビリティ、更に一歩踏み込んでアクセシビリティ(注1)といったことが話題になります。幅広いユーザに使いやすいサイトをデザインしようという考え方ですが、DTPの世界では先人のデザインの中に膨大な工夫が盛り込まれていて、ユーザビリティについては完成されています。もちろんWebならではの技術は必要ですが、この先人の功績を参考にしない手はありません。だから温故知新。原点回帰と言っても良いかもしれませんね。 
※注1:情報やサービスがどの程度広汎な人に利用可能であるかをあらわす語。 特に高齢者や障害者などハンディを持つ人に、どの程度利用しやすいかという意味で使われることが多い。


■きっかけはデビルマン
             
web dtp

Q 矢野さんがデザインのお仕事をされようと思ったきっかけは何ですか?

小学校の時に床屋の待合室で読んだ少年マガジン。そこに『デビルマン』が載ってましてね。あの最初の明とアモンが合体する話ですよ。小学生には刺激が強くて「なんじゃこりゃぁ!」ってものすごい衝撃を受けました(笑) そこからマンガやアニメなど興味を持ったのです。ですから就職するときには「アニメーターになりたい」って考えたんですが現実的な事情で難しくて、せめてビジュアルやグラフィックに関わる仕事をしたいと考えて印刷会社へ就職をしたんです。


Q 就職されてからはどんなお仕事をされましたか?

最初に入社した会社で写植オペレータを担当したのが振り出しですね。そこからスタートして、広告代理店でデザイナーをやったり、印刷に関わる仕事はほとんど経験しました。やってないのは製本作業ぐらい。その後、フリーになってグラフィックデザインの会社を作りました。設立当初はDTPの仕事が中心でしたが、今は時代の趨勢からWebの依頼が全体の7割ぐらい。特にCMS関連(注2)の依頼がほとんどですね。
独立してからも、いろいろな印刷会社とDTPの仕事をさせていただいていますが、この印刷工程をほとんどを経験したというのは私の財産になっています。実は広告業界ってローカルルールの嵐です。10の仕事があれば10のルールが存在しますが、そのほとんどに対応できるのが私の強みかなと思っています。だからデザイン会社の新人が、最初に直面するような壁にはほとんど答えることができます(笑)。だから困るとよく連絡してきますね(笑) それは先輩冥利につきることですから嬉しいですけどね。
※注2  Webコンテンツを構成するテキストや画像、レイアウト情報などを一元的に管理し、サイトを構築したり編集したりするシステムの総称。


授業中です。
  ■楽しければ辛いとは思わない


Q 最後にこれからWeb、DTPデザイナーを目指すみなさんにメッセージを。

古いものに学びながら、新しいものを追求し、自分のデザインを考える。そんなデザイナーへの道は楽しいものです。そして自分のデザインが世に出たときの喜びは格別です。
その喜びを知っているから、私は独立してから大変だった時期もピンチを辛いこととは思っていなかった。それどころか強がりでも何でもなく、毎日が楽しかったし、だからこそ乗り越えることもできたのだと思います。このことは、これからデザイナーになるみなさんも通る道だと思います。だから先人としてデザイナーの楽しさと喜びをお伝えしたいと思っています。


どうもありがとうございました。
楽しければ辛くないとは経験者のみが語れる言葉ではないでしょうか。
どこかで矢野さんのお仕事を見ることがあったら、デザインにおける「温故知新」を感じていただきたいと思います。



☆Web・DTPのお仕事に興味のある方はコチラもどうぞ♪
 ⇒ヒューマンアカデミー 
DTP・グラフィックデザインWeb


aaomi200 at 10:00│ Comments(0)TrackBack(0)