2009/01/12
◆学部授業の様子と仕組み◆

中山 実佳さん
イギリス在住
オックスフォードブルックス大学(2008年9月卒業)
English StudiesとEnglish Language and Linguistics専攻
バックナンバー: 10/22 11/24 みなさん、こんにちは!日本もかなり寒い時期だと思いますが、イギリスの寒さと日中の短さもどんどん厳しくなってきています。こんな気候の時に大学生の頃は部屋に閉じこもって、課題に追われ気が滅入りそうだったなあ•••と思い出します。というわけで(?)、前回はファンデーションコースについて書きましたが、今回は実際の学部授業の3年間についてお話したいと思います。
←大学のメインレセプション(大学受付)前回も少し書きましたが、イギリスの大学の学部入学後は教養科目などがなく、3年間ずっと自分の専門分野を学べるため、この3年間は本当に深く自分の分野を極めることができます。でも、現地のイギリス人の学生はすでに大学入学準備過程で専門分野にかなり通じてから大学に入学するため、「さあ、これから大学に入って専門分野を勉強するぞ!」というような状態の留学生はそれら現地の学生に比べてかなりハンデがある、というわけです。私も晴れて学部に入学した直後は、イギリス人の学生に比べて自分の知識の浅さに愕然としたものです•••。私は英語学と英語の言語学を専攻しましたが、やはり英語を母国語とする学生と、互角に言語を勉強するのは大変な努力が要るな•••と最初の頃は身が引き締まる思いがしました。
↑校内にある本屋。イギリスの老舗書店Blackwellsです。
ここで教科書も買えます。
でも、ショックを受けてばかりではやっていけません!毎学期大変な量の課題が出ますし、量だけでなく「より良い質」の完成度を求められます。イギリスの大学の多くは1学期につき12週間、つまり3ヶ月しかありません。取る単位もだいたい1学期につき4単位ほどです。でも、この4単位/3ヶ月の間で完成させなければならないエッセイや他の課題一つ一つの内容が濃く、1度の提出でその単位のほぼ半分の成績が決まることが多いので、それぞれの課題を実際に提出する何週間も前からリサーチを開始しておかなければなりません。もちろん毎日の復習も欠かせないので、課題提出前は復習とリサーチとエッセイ構成作りに1日中パソコンの前に向かっているという日が何日間も続いたりします。
たとえば、私の学部の、大学2年次の2学期の科目と課題スケジュールはこのようなものでした;
◆Analysing Discourses (会話分析法):エッセイ3,000字(12週目に提出)
◆History, Diversity and Change in English(英語の歴史と多様性と変化):エッセイ2,000字(9週目に提出)、テスト(12週目)
◆Language through Literature(文学における言語):エッセイ1,000字(6週目に提出)、エッセイ1,000字(12週目に提出)
◆Modern Literature(現代文学):エッセイ3,000字(6週目に提出)、2時間の論文形式試験(13週目)
このように、だいたい1学期中に全部合わせて10,000字分ほどのエッセイを書き、プレゼンテーションが多い学期もよくあります。上のスケジュールからも分かるように、多くの課題提出が学期の半ばと終わりにかたまっていることが多いので、その頃になるともう机の上とパソコンの周りが参考文献とノートの山でてんやわんやになり、数週間ずっと課題の事で頭がいっぱいになり確実に寝付きが悪くなります(笑)。でも、やはり毎回の課題のために多くのリサーチ時間を費やし考え抜いたものを完成させるため、その分知識の量はどんどん深まっていきますし、自分が書くエッセイの質も向上していきます。また、授業で習った事を書くと言うより、授業で習った事を基に自分でリサーチを深めていくという感じなので、エッセイを書く際には自主的に先生とディスカッションしに行く、ということも必要になってきます。

↑Canteen(食堂)。色んな料理が楽しめます。お茶もできます。

↑紅茶だけじゃなくホットチョコレート(ココア)も美味しいイギリス。派手で見た目甘そうですが、課題提出後に疲れた脳を癒すためにCanteenでご褒美としてよく飲んでいました•••。
私が大学時に本当に役に立ったのは、personal tutorというシステムで、自分の学部の教授が1人自分のチューターとして付き、科目選択や勉強上のアドバイスなど、いつでも相談に乗ってくれます。また、3年次に卒論を書く際には、自分で卒論のスーパーバイザーとして教授を1人選ぶ事ができ、その先生と1年間とことん話し合いを重ねて、協力やアドバイスを貰いながら1年間で10,000字の卒論を完成させます。私はpersonal tutorと卒論のスーパーバイザーとも本当に頻繁に話し合いをし、困った事が会った時には遠慮なくアドバイスを求めていました。先生も本当に親身になって相談に乗ってくれ、共に熱心に考えてくれるので、すごく頼れる存在でした。
←校内の裏庭授業形態についてですが、私の大学授業の長さは1科目につきだいたい2〜3時間でした。多くの場合、最初の1時間は講義で、次の1〜2時間はセミナー形式に変わり、少人数に分かれ学生と教授で意見を言い合ったり、プレゼンをしたり、グループに分かれて話し合いをしたりします。授業によっては数時間まるごとセミナー形式の場合もあります。イギリス人は日本人に似て控えめなところがあるので、授業中でも発言が多いとは言え、そんなにガンガン意見を言う、というような事はあまりありません。そのせいか、授業中は名指しでよく当てられます。当てられた時「分かりませーん」なんて言ってしまう空気の読めない学生は全然いまいません(笑)。当てられてもみんなしっかり自分の意見を述べるため、授業中いつ当てられてもしっかり答えられるよう、気を抜かないようにしていました。このような授業形式だと本当の意味でacademic skill(大学での勉強に必要な力)が身に付くと思います。
大学の3年間は本当の意味で「自分で」勉強をし、とことん努力できた貴重な期間でした。•••と、まあこれは今だから言える事で、実際にやっていた時は狂いそうなくらい大変でしたけどね(笑)。海外での大学生活は想像以上に過酷な時もありますが、社会人になってイギリスで働くようになった今、学生時に頑張っておいた経験が役立っているとしみじみ感じます。学期中忙しい分、休暇も長いイギリスの大学ですが、次回はその長期休暇の過ごし方について書きたいと思います!
aahiuc400 at 12:00│Comments(0)│TrackBack(0)










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